公園にスターバックスがやってきた

2017/07/11 大阪城公園よろず相談(も)

yorozu

いつものように大阪城公園の夜回りに行くと、ちょうどJO-TERRACE OSAKAの開業初日だった。公園の商業化という何とも憂鬱な事態である。市民の森から大阪城公園駅前の広場にぬけると、フェンスが取り払われ、きらびやかな街が現れた。暗がりから出たとたん、自転車を転がして歩いているこっちが場違いな状況に陥ってしまう。都市公園は、様々な人に開かれた場所であり、家を持たない人が宿りにくる木陰でもある。けれども、そういう都市公園が持っている一側面は顧みられることなく、公園行政は、見通しのよい公園にすると言っては木を切り倒し、古くなったと言っては公園内から屋根をなくしてしまった。そして、代わりにスターバックスカフェがやってきた。スタバは店員だけでなく客も一緒に連れてくる。公園でくつろぐ「市民」にコーヒーを売りにきたわけではない。彼らの世界のための席を設けたのだ。どうです、今度は都市公園を風景にコーヒーでも、と。これがジェントリフィケーションというやつだ。ところで、梅雨だ。元気なのはナメクジだ。ナメクジに塩をかけると水分が抜けてナメクジが縮むのは、子どもでも知っている。では大人に問題。公園に塩をかけるとどうなるか? 答え。資本に公共性が吸い取られ、公園もみるみる内に縮むのである。

*出典:『人民新聞』第1620号(2017年7月11日発行)http://jimmin.com/2017/07/11/post-3625/
*画像:「森ノ宮再開発散歩」(出典:『あしたのロジョー』第4号〔2015年5月1日発行〕http://park.geocities.jp/asitanorojo/rojo_index.htm