釜ヶ崎の「センター」開放闘争への連帯表明

2019/04/11 反ジェントリフィケーション情報センター

3月31日の夜、大阪市中心部にある労働者街・釜ヶ崎にて、「あいりん総合センター」を閉鎖しようとする行政の動きに対し、労働者や抗議者たちが座り込んで抗議し、シャッターが降ろされるのを阻止した。と同時に、かれらはすぐさま食料や寝具の供給ルートを確保し、そこに自治空間をつくりあげた。私たち反ジェントリフィケーション情報センターは、このセンター開放闘争を支持し、連帯を表明する。

釜ヶ崎は、一世紀のあいだ下層労働者の居住区でありつづけ、長い時間をかけて労働者の文化が培われてきた。だが1990年代に入り、この地の労働者は一挙に職を奪われ、失業と野宿の状況へと追い込まれた。そうして力を奪われた末の現在、この古くからの労働者街は、ジェントリフィケーションの脅威にさらされている。しかもそれは、あたかも自然な過程であるかのように、避けることのできない宿命であるかのように、語られてきた。労働者や抗議者たちは、沈黙を破ってこの連鎖を断ち切り、あきらめる必要などないこと、この過程は変えられることを、身をもって示した。

1970年代に建てられた巨大な建造物「あいりん総合センター」は、まさに労働者街のシンボルである。もともと労働市場として日本政府により建設されたこの建造物を、労働者たちは数々の闘争をつうじて、自分たちの空間へと転化させてきた。労働市場としての機能をはぎ取られたいま、この空間は、屋根つきの巨大な空き地となった。労働者や抗議者たちは、誰もみたことのない実験を始めようとしている。テントを建て、布団を並べ、食事をともにし、将棋を指し、映画を上映し、議論を交わすなどして、自主管理の空間をつくりだそうとしている。

私たちもまた、この実験に参加したいと思う。自主管理《占拠》空間を、自主管理占拠《社会センター》へと、作り変えていこう。世界の各地でおなじ状況をたたかう抵抗者たちと連携し、オリンピックや万博という口実で奪われていく空間を取り戻そう。

■付記
センター開放闘争に関する最新情報は下記サイトを参照。
◆釜ヶ崎センター開放行動(Against the Lockout: Occupy Kamagasaki Center, Nishinari, Osaka)
https://occupy-kama-0401.tumblr.com/
◆釜ヶ崎センター開放通信
Twitter: @OpenKamaCenter